自由に生きる記録

高校生が思ったこと感じたこと書いてます。

『青の炎』を読んでみて思ったこと

こんにちは!みたらしちゃんです。

今日は『青の炎』という小説について感想とか思ったこと書いていきます。(ネタバレ注意です)



まずこの本の終わり方がハッピーエンドではないのは本の表紙からなんとなくわかったのですが(暗い色合いの表紙に短い題名だとあまり終わり方がハッピーエンドではないという私の完全なる偏見です)やっぱり主人公目線でこの物語が進んでいるので私的には自殺を図った後の彼の家族の反応や警察の反応を見てみたかったです。本当に彼が死んだかどうかわからないところがこの本のいいところであるとは重々承知の上です。最後彼がハンドルを切ってトラックに飛び込んだ後のページがないか探しましたが次のページから後書きでした( ; ; )



やっぱり主人公の目線から語られることで彼の心情が細かく描かれていて、でもそれとは反対に彼が接していた人たちの気持ちは彼や読者側には彼を通して伝えられてしまうので少し相手に偏った見方をしてしまうと思います。

彼は自分でなんでも背追い込む節があり、また頭がよかったので自分の妹と母を身体的にも精神的にも傷つける養父を完全犯罪で殺してしまいます。またそのことを知ってしまった彼の幼馴染も殺してしまいます。世間的に見れば高校生が完全犯罪で二人の命を奪った残忍な犯行に見えますが、養父は母と離婚したはずなのに彼の家に入り浸るようになり、母が彼の妹のために積み立てていた教育費なども全部ギャンブルで使っています。

また気に食わないことがあると平気で人に暴力をふるいます。彼は母に弁護士に相談したほうがいいと言いますが母の歯切れが悪いので自ら弁護士を訪ねて相談します。しかし彼は未成年なのでやはり母から弁護士に相談する必要があり勝手に弁護士を家に連れてきてしまいます。そこで母と弁護士が話しているのを盗み聞きする過程で妹が養父と血縁関係があり彼と彼の母にはなんの繋がりをないことを知ります。彼の母は彼の妹の親権が養父に行くことを恐れていたのです。

彼は一瞬養父を殺す計画を躊躇しますが、理科の教科書に載っていた方程式をもとに針を使った感電で心臓麻痺させて殺しました。しかし完璧だと思われていた犯罪はここからどんどん崩れていきます。まず養父の血圧を測るのに使った彼の母の血圧計を気が動転していたばかりに片付けるのを忘れていました。

また彼を殺した機械を幼馴染に見つかってしまうのです。幼馴染はこれをネタに彼を揺すりお金を請求してきました。なので彼も殺すことに決めました。コンビニ強盗を装ってお金を取ればいいと幼馴染に提案した彼は実際にはコンビニの中の防犯カメラの死角になるところで親友を刺殺し、さも自分が襲われた時に幼馴染の胸に謝って刺さってしまったように見せました。

しかし彼は柔道を元々やっていながら柔道では絶対に取らない受け身をしているところが防犯カメラに写っており警察の柔道経験者でもある人からさらに疑われてしまいます。

また殺した安心感からか妹や紀子(彼のクラスメイトでありお互いに好き合っている)に失言をしてまるで自分が彼らを殺したようなことを口走ってしまいます。その後、紀子に預けていた油絵具の中から隠した鍵が見つかってしまいお互いいい感じの雰囲気になって性行為をした後、結ばれるのかと思いきややはり口を利かなくなってしまいます。

彼は紀子のことを好きだと最終的に自覚しながら、人殺しが彼女を好きなのは迷惑だと考えて彼女に養父と幼馴染を殺すために彼女を利用したに過ぎないと伝えます。でも彼女は彼のことが大好きだったので彼の言葉の真意にも気づいていたと私は思います。

彼は夢で家族が人殺しの家族呼ばわりされているのをみて自分がやったことが警察にバレてしまったのでこれが報道されてしまえば彼の家族を助けようと行ったことが逆効果になってしまうと感じ最後の手段として取っていた自殺を選択します。しかし明らかに自殺とわかりやすい死に方はできないため彼はトラックにバイクに乗ったまま思い切り突っ込む事故死に見せかける死に方を選びました。

物語は彼がハンドルを思い切り右に切ったところで終わっており彼が実際に死んだのかどうかはわかりませんがきっと死んでいるでしょう。彼視点から話が展開されているのでその後の展開が読めないので想像するしかありません。

物語の途中で養父が死んだ後、彼の妹の口から養父は末期癌で残りわずかの命だったと伝えられ、また彼女は自分が彼と母と血がつながっていないことも知っていると彼に伝えていました。最初は真偽が不確かでしたが途中でそれが本当だったと明らかにされます。なので彼は自分を犠牲にして養父を殺すことはなかったのです。また熱の方程式を使った殺害方法は養父の銀歯を取ってしまいそれが養父に電気を人為的に流した証拠ともなってしまいます。この部分を読んで私はすごい切なくなりました。周りを助けても結局自分の居場所は無くなってしまうなんて何という皮肉だろうと思いました。

この本はすっきりと読める感じの本ではなく、後味もあまり良くないですが高校生の葛藤、苦悩と皮肉の入り混じった作品で面白かったので読んだことがない人はぜひ読んでみてください!!この本はkindle unlimited で無料で読めます。あと図書館とかにも絶対あると思います。

また二宮和也さん主演で映画化もされているらしいです!!(私はまだみたことがないのでこれから時間がある時にみてみようと思います!)


今日もブログを読んでくださりありがとうございました。読み終わった後、興奮収まらないまま書いているので誤字脱字あるかもしれませんが気にしないでください。

(まだまだ書き足りないのでもしかしたら更新するかもしれません笑)